2010年8月29日日曜日

萬葉集 16/4516

稲刈りも無事終えました。

近江大津宮御宇天皇代(おふみのおほつのみやにあめのしたしらしめししすめらみことのみよ)
天命開別天皇(あめのみことひらかすわけのすめらみこと=天智天皇)

天皇の、内大臣(うちのおほまへつきみ)藤原朝臣に詔(みことのり)して、春山の万花(ばんくわ)の艶(にほひ)と秋山の千葉(せんえふ)の彩(いろどり)とを競はしめたまひし時に、額田王の、歌を以ちて判(ことわ)れる歌

 冬ごもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴(きな)きぬ 
 咲かざりし 花も咲けども 山を茂(も)み 入りても取らず 
 草深み 取り手も見ず 秋山の 木(こ)の葉を見ては 黄葉(もみち)をば
 取りてそしのふ 靑きをば 置きてそ歎く そこし恨めし 秋山吾は

意味:冬が過ぎて春がやってくると、今まで鳴かなかった鳥も来て鳴く、
   咲かなかった花も咲く。しかし、山は繁り合っていて、
   入って手に取れもせず、草も深く、手折ってみることもできない。
   一方、秋の山の木の葉を見るにつけ、黄葉を手にとっては賞美し、
   青い葉を措いては嘆く。そこに、思わず恨めしさを覚えるが、
   そんな秋山にこそときめくのだ、私は。

0 件のコメント: