2009年5月8日金曜日

読書感想(その1)


『沖縄伝統空手「手」TYIの変容
 野原 耕栄 球陽出版
この本は沖縄空手を中心に、沖縄武術「手」から世界のKARATEへの変遷の歴史、及び沖縄の歴史について詳しく書かれている。
 空手をするものにとって源流を知る上で非常に参考になる一冊であった。
 この著者自身、小林流系の昔ながらの沖縄伝統空手の八段、故に空手及沖縄への思いと知識は感服するものが有る。と同時に日本の空手界への不信感、伝統沖縄空手の存続への危機感は、我々日本で空手を修業するものにとって考えさせるものであった。
 そして、意外であったのは、寸止め空手と呼ばれる空手に対し疑念を抱いている一方、フルコン空手を代表する極真会館に対しての印象は良いものとして書かれている。というのも、沖縄で古くから行われている組手・カキダミシは、紳士協定により手による顔面攻撃、金的攻撃を禁止した上の直接打撃であったという。これはまさに極真ルールではないか!!極真空手黎明期、本土であれほど邪道空手、ケンカ空手と蔑まれていたものが、実は本家本元のカキダミシと同じであったという驚くべき事実。
 一方、昭和47年(1972)本土復帰により、沖縄に本土の空手が流入され、唖然と失笑のもとに迎えられたものが、寸止め空手であったという事実。
 そして、今や沖縄空手界を飲み込もうとし、沖縄空手の存続をも脅かしている全空連系寸止め空手。その上、組手だけでなく、形をも沖縄空手を蔑(ないがし)ろにするという。
 本流とは一体何か、邪道とは何か、考えさせられずにはいられない。
 本土で空手を修業するものには必読の一冊である。

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